虫歯とは

口の中にたくさんいる細菌の中で、食べ物に含まれる糖分によって活発に働くのが「ミュータンス菌」です。
この菌は歯の磨き残しなどがあると、そこにネバネバした歯垢(プラーク)という言わば細菌の住み家を形成して住み着きます。
この歯垢が放置されるとミュータンス菌はますます繁殖し、歯垢の中で歯を溶かす原因になる「酸」を生成するのです。
こうして生成された酸が歯の成分のエナメル質やカルシウムを溶化し始めることで虫歯ができます。

 

虫歯とは、「細菌が糖を餌として利用することで酸を作り、その酸によって歯が溶かされる病気」と言えるでしょう。
驚くような本当の話ですが、古代から18世紀後半まで
虫歯の原因は歯の中に居る小さい虫によって引き起こされると考えられてきました。
紀元前20世紀ごろのバビロニアでは、
歯痛が起きたときにはアヌ神に「歯虫祓の呪文」を唱えた後にヒヨスの実を焼いて駆虫したと言われています。
ヒヨスの実には麻痺作用がありますから、いくらかは痛みを和らげる効果があったのでしょう。

 

わが国へも中国の隋時代の「諸病源候論」に牙歯虫候・牙虫候という病名で記載されものが伝わり、
医書「醫心房」の第五巻に「虫長六・七分・黒頭」などと記述されています。
なお虫歯の中で見つけた歯虫とは、おそらく歯の神経を見まちがえたのではないかと言われています。
1881年(明治14年)頃に虫歯の原因が酸によるものであること、
また1883年(明治16年)にアメリカのミラーによって歯に付着した食べカスに虫歯菌が作用して
酸が歯の表面を溶かすという「化学細菌説」が発表されたことで、
「虫歯の原因は歯虫ではなく虫歯菌であること」が世界的に理解されることになりました。

 

 

なぜ虫歯になるのか

歯の表面には歯垢(プラーク)というネバついた汚れがついており、
その歯垢の中には多くの虫歯菌(ミュータンス菌)が生息しています。
歯垢の中に生息している虫歯菌は、
食べ物や飲み物として口の中に入ってきた糖質(砂糖)で酸を生成して歯を溶かします(これを「脱灰」という)。
脱灰が続くと歯が次第に溶けて穴があいてしまうのです。

 

しかし正常な口の中では、一度溶け出しても唾液の中のカルシウムやリンが
歯の表面に沈着して修復する(これを「再石灰化」という)ので歯に穴はあきません。
しかし歯垢を除去しなかったり糖質をたくさん摂取したりする習慣があると、
再石灰化より脱灰する量の方が多くなることから虫歯になっていきます。
脱灰が進行して再石灰化が不可能になった歯が虫歯です。

 

虫歯の原因になる要素は4つです。
4つの要素とは「歯の質(歯質)・虫歯菌・糖質(砂糖)・時間」で、これらが複雑にからみあって虫歯ができます。
「歯の質」は、軟らかく弱い場合には虫歯になりやすくなります。
「虫歯菌」が口の中に多いと虫歯になりやすくなります。
虫歯菌を減らすには新鮮な唾液を出すことです。新鮮な唾液が出ていれば、
虫歯菌が酸を出しても虫歯にはなりません。
もちろん歯磨きも有効ですから、時間をかけてしっかり磨く必要があります。

 

「糖質」は、虫歯菌の餌のようなものです。
砂糖の摂取量を少なくすることや虫歯になりにくい砂糖を使用することなどの対策が必要です。
「時間」は、「虫歯菌」や「糖質」が口の中に留まる時間が長いほど虫歯になりやすくなります。
「糖質」が長時間口の中に留まるような食べ物を避け、
さらさらした唾液が出る食べ物を摂取することと摂取後の歯磨きが虫歯予防には重要です。

 

 

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